父が亡くなったばかりの頃は
今とは違う世界にいたような気がします。
周りのたくさんの
優しい人たちに甘えさせてもらって
元気を取り戻しています。
時間が経ち、
父との思い出を話したり
父のことを聞かせてもらったりすることで
ますます父を身近に感じるように。
父を慕っていた私たち家族、
友人のそばには
今も父がいてくれます。
だけど、どうしようもない無力感に襲われることもあります。
私の場合は
「どうして大好きな父と母の元を離れて
ここで暮らしているんだろう。」
というものでした。
いつでも駆けつけられる距離に
いたらよかった。
父の最期には間に合わなくても
父の手が温かいうちに
声を掛けることはできたかもしれない。
そんなことを考えていた時は落ち込んでいました。
でも、父の旧友ペッピーノからの言葉で目が覚めました。
父とペッピーノは53年前、大学のキャンパスで言葉を交わして以来の仲。
父の生涯の友人です。
ジュリエッタがマルコと同じ大学に入学したとき
「思いを継いでくれた。」とマルコが喜んでいたと
教えてくださいました。
大学に行くときに
今住んでいるこの街にどうしようもなくあこがれ
そして父と同じ大学を選んだのは
なぜなのかは
言葉では表現できない。
ただ、そう突き動かされるものがあったからです。
でも、そのおかげで
悩んでいたけれど
大学の先生や友人との出会いで
自分はこの仕事をしようと思うことができた。
夫と出会うことができ、結婚し、
可愛いバンビーノたちにも恵まれて。
マルコの住んでいた街へのあこがれが
私を今の生活へと導いてくれたんだね。
「あなたは幸せになるために、そこにいるんでしょ。」
と、アンナに言われました。
遠く離れていても
近くに住んでいても
それが
自分の選択したものであり
幸せになるための選択であったなら
そして幸せに暮らしているのなら
マルコは絶対に喜んでいるはずです。
マルコにとって大切な家族。
娘たちは結婚してそれぞれの場所で暮らしています。
コンチエッタも、フィオリーナも、ジュリエッタも
遠く離れた孫も
自分が選択した道を進んで、
今、幸せに暮らしているよ。
私たちがあなたの大切なアンナを
絶対にこれからも幸せにするからね。
マルコのことを思い出して
頭がいっぱいなのはしかたのないことだし
無理しなくてもいい。
でも、自分を支えてくれている家族や友人に
感謝して
前を向いて
これからの生活を大切にしよう。
幸せに笑って暮らす姿を
マルコに見せよう。
「自分も大切に。」
と言ってくださった
ペッピーノのおかげで気づくことができました。
ありがとう。