へい、マルコ!調子はどうだい??
天国はどんな感じ?
会いたかった人には会えたかな?
こちらはと言うとね、散々なんだよ。
なんて言ったらマルコは悲しむかな。
あなたがいなくなってしまって3ヶ月が経とうとしてるけど
残された私たちは
どんだけ頑張ってもやっぱりなかったことにはできなくて。
あなたがいない事実をなかったことにはできなくて。
会いたい気持ちを抑えることはできないの。
それでね、やっぱり改めて思うけど
そっちに行くの、早すぎたんじゃない??
マルコもそう思っているよね、きっと。
マルコの家に行くといつも
「どーも、どーも、フォスコさん、こんにちは。」って。
「どーも、どーも、ドメニコさん、こんにちは。」って。
「どーも、どーも、マリオさん、こんにちは。」って。
あの調子で部屋から出てきてさ。
娘婿たちに挨拶するあの感じ。
思い出しちゃうなあ。
じいじは鳥とか蝶々とかになって、あそびに来るかもしれないよ、と話してたから、
今日もグレタが理科の観察の時間に蝶々が飛んできたって嬉しそうに教えてくれたよ。
「グレタの周りをぐるぐる回って、空の高いところに行っちゃったの。ママ、あれじいじじゃないかな?」って。
ジュリアは
「ピアノの先生のお庭にアゲハチョウが飛んでたよね。じいじがジュリアとグレタのこと見にきたのかな。」って
きっとそう。
みんながいるところにきっといる。
見守ってくれているのは分かってるよ。
マルコの葬儀がきっかけとなって
家族の絆が強くなったのは、悔しいけれど、事実。
先週はアウローラがジュリエッタの家までお泊まりに来てくれたよ。
ゴールデンウィークにはマリアの家に、
みんなそれぞれの形で遊びに行くよ。
従兄弟同士の繋がりが
会う機会が明らかに増えたのも事実。
マルコが元気だった頃は、そこまで頻繁に実家に帰ることもなかったけれど。
どうしてもっと遊びに帰らなかったんだろう。
アンナの元へ
エミリオが恵方巻きやお土産を届けに訪ねてくださったり
ペッピーノが時折訪ねては、思い出話をしてくださったり
近所に住むカタリナやベルラは
アンナを散歩に誘ってくださったり
お茶会をしたりピアノの発表会に招待してくださったり
アンナの主治医のルチアは
マルコの話をして一緒に涙を流してくださったり
“マルコがいないという事実”が
たくさんの優しい方とのご縁を繋いでくれた。
そこにマルコがいないのは悔しいけれど、
そのご縁には本当に感謝しています。嬉しく思っています。
3ヶ月。
信じられないぐらい長い3ヶ月。
まだ3ヶ月?
これからまだまだマルコのいない世界を生きていかないといけないのに。
友達から言われたよ。
これからお父さんの分まで、たくさんの人と出会って、たくさんのお土産話を持っていけるように、精一杯楽しんで生きようって。
お父さんはお土産話、たくさん持って行けたよね??