ギリシア神話の英雄ヘラクレスが建設したという伝説によって古くは「ヘルクラネウム(エラクレ)」と呼ばれていた。ポンペイ発掘開始の40年ほど前の1709年、井戸掘り中の農民が偶然発見。富裕な人々が好んで滞在した古代の小さな町 推定人口5000人 碁盤の目状に整備され水道や排水設備はポンペイ以上に普及していた。広さはポンペイの3分の1 考古学上の重要性はひけをとらない。ポンペイは商業の町、こちらは住宅地 現在目にできる部分は、厚さ12-25mの溶岩と泥の塊から掘り出されたもの。ナポリ湾に面したポンペイとおなじく79年の噴火で埋もれた 火山礫と灰に埋もれたポンペイと違い、泥流と溶岩流に埋もれ固まると隙間のない「鉄そこのけに硬い」厚さ12-25mの層となって街全体が覆われてしまった。「1980年代初期、発見された炭化した船の中の150体以上の人骨は、外海に出れば助かると思って海に向かった一部の住民が逃げ切れず、泥と溶岩に襲われたことを裏付けるもの」だった。
① 旅館の家:広い列柱廊が目印。海に向いてた浴場つきのテラスがあって、素晴らしい眺望が開けていたはず。
② 骸骨の家:ここで人骨が発見された。内部の壁龕にはモザイクがある。
③ 浴場:カルディーネⅣ通りからは女風呂、向かい側のカルィーネⅢ通りからは男風呂に入れます。床にはモザイク(イルカ)があります。
④ 黒いサロンの家:柱廊に面している部屋に黒い装飾が施されている。
⑤ ネプチューンとアンフィトリーテの家:入口はカルディーネⅣ通り。食堂にネプチューンのモザイクがある。
⑥ モザイクの中央広間の家:柱廊をめぐらせた庭園の周りにある部屋は床が幾何学模様のモザイクで飾られている。
⑦ 鹿の家:カルディーネⅤ通りの突き当りに位置する。犬の群れに襲われる鹿の像が出土した。窓付きの廊下では美しい床モザイクが見られる。
⑧ パン屋:カルディーネⅤ通りには商店が点在している。ここにはパン屋のかまどがある。
⑨ 郊外の浴場:方形プランで男女の風呂の区別はない。冷水の浴槽と温水プールがある。