丘の上の白い町 プーリア州に散らばる宝石のような都市群の中でもう一度行ってみたくなる所は?と聞かれれば私マルコはすかさずオストゥーニと答えます。なぜでしょう、2~3時間で回ってしまえるくらいの小さな町ですが、離れてしまうと、まるで別次元のエリアにいたかのような錯覚を覚えるからです。丘の上に突如として現れる白い空間、バーリから列車で1時間、駅からバス15分でこの別世界に行くことができるのです。マルコはもう一度訪れたい、と心に誓っています。
プーリア州の土地は石灰の地層なので、昔から細かく砕いて壁に塗っていました。石灰分に殺菌効果があり、日差し対策にもなるので毎年、塗り替えられています。いつ行っても真っ白(石灰乳)なのです。アドリア海が一望できるスポットに行けば白い街並みと空と海の青が見られる、まさに地中海的景観が味わえます。半島の反対側のアマルフィ海岸と違った趣なのは、この町は実際は海岸からかなりの距離があるからかもしれません。オストゥーニの歴史は古く、前3世紀のポエニ戦争でカルタゴ軍に破壊された後、新しく作られた、この「新しい」のギリシア語表記がオストゥーニの語源です。