豆知識のコーナーでは7つのテーマがありますが、ここではこのテーマに入りきらないイタリアの社会・政治・経済について、旅行する上でお役に立ちそうな話題を提供したいと思います。マフィア・移民・南北問題・アニメ・・・・・
一般的な日本人が「イタリア」から発想することがらの中に「マフィア」があります。映画『ゴッド・ファーザー』などの影響もあってイタリアの負のイメージになっています。旅行者としても少しは知識を持っておきたいテーマです。
1942年、アメリカ・マフィアのボス、ルチアーノは60件を超える罪状で禁固50年の実刑判決によって、ニューヨークの刑務所で服役中だった。第二次大戦中、アメリカ海軍はシチリア上陸作戦決行のため彼に援助を求めた。「枢軸国側にいるシチリア島のイタリア軍を事前にどこかに移動・退避させて欲しい」と。・・数日後、アメリカの戦闘機がシチリア上空を飛行し、ルチアーノの手紙を落とした。宛先は地元の大ボス、カロジェッロ・ヴィッツィーニ。結果、連合軍は短期間でシチリア解放を成し遂げた。
南部拠点 4つのグループ シチリアのコーザノストラ・カラーブリアのン(ヌ)ドランゲタ・カンパーニャのカモッラ・プーリアのサークラ コローナ ウニータ
全体の収益 2012 257億ユーロ収益 35%カモッラ 33%ン(ヌ)ドランゲタ
18%コーザノストラ 11%サークラ コローナ
・これらのグループは相互に連携しているが、特にカモッラが危険視されている→麻薬密売 公共事業受注 武器密貿易管理売春 恐喝・高利貸 偽造品製造販売 廃棄物不法投棄(深
刻な環境汚染) などに関わる。
・コーザ・ノストラのピラミッド型組織形態とは対照的に3桁を超えるファミリーが横並びに連携・競合・内部抗争を繰り返している。
・組織は細分化され流動的で、政財界と癒着し地方自治体行政に浸透、撲滅不可能?
・カンパーニャ地方の政治家3割が組織と関係、ナポリ県92自治体の過半数が公共事業委託でカモッラに浸食、公財政を握られている。
・(ン)ヌドランゲタ:南部から北部への国内移民にともない北部に浸透している。ミラノを中心にロンバルディア・リグーリア・ピエモンテ州において地元政界と癒着し、麻薬密売による膨大な闇資金が中・北部の不動産・ホテル・ディスコに投入されている。
『マフィア・その神話と現実』(講談社)によると、下部組織200構成員1万以上、南米メキシコ・コロンビアの麻薬カルテルと密接に連携、年間取引額(2008)は460憶ユーロで犯罪組織では群を抜く多さ。
・1995年リベラ協会が創設され、マフィアと闘う市民団体として地域支配に対する行動に出ている。「没収した資産の社会的利用」法の成立1996
イタリアにしばらく滞在してテレビを見ていると毎日のように日本のアニメがオンエアされていることに驚く。ヨーロッパでは日本文化のサブカルチャーとして「アニメ」は国際用語化している。特にイタリアでは他国では見られないほどの人気で、サッカーの「キャプテン翼」は当然、それ以外にも、UFOロボ グレンザイダー、アルプスの少女ハイジ、未来少年コナン、,ルパン三世、北斗の拳、ジブリ作品など、ほぼ日本と同じ。ジブリ作品のDVDはどの家庭にもある。イタリアでは70年代、80年代、テレビ局が日本製アニメを数百本、輸入。当時は時代劇も人気があって「桃太郎侍」が放映されていた。ディズニー作品やヨーロッパのテレビ局制作のマンガにはない魅力が日本製アニメにあるにちがいない。日本語バージョンで見ながら日本語を覚えた人もいるとか。ドラえもん人気は根強く、専用の棚がある本屋もある。例えば次の一篇など、日本語の単語を覚えるのに役立ちそう。!(^^)!
課題 ※漫画輸入業者による日本製品の夥しい受け入れは、自国イタリア人漫画家の活躍の場を狭めている。